Rental Honeymoon hidden pleasure



おもむろに、
たしぎをベッドに仰向けに寝かせる。
ゾロを見上げるたしぎの瞳は既に潤んで、唇は濡れて艷めいていた。


身体が動かない。

たしぎは戸惑っていた。

心臓はこんなに早く脈打っているのに、
身体はこんなにも熱く火照っているというのに、
背中から、ベッドに張り付いたかのように、腕さえも上げられなかった。

一晩中、気を張り詰めて過ごした。
ここにきて、無事に敵をやり過ごしたという安堵した気持ちが
たしぎの身体を動かなくしていた。

こんなにも心はロロノアを求めているのに。

何も言えずに、ただ見上げるばかりで
涙が出そうだった。


そんな顔されたら、歯止めが効かなくなりそうだぜ。
まあ、遠慮はしねぇがな・・・


ゾロは、軽く触れるような口づけをしながら、
たしぎのシャツのボタンを外していく。

ゾロの指先が直に肌に触れると、それだけで
ゾクっとした。

たしぎは静かに目を閉じた。

背中に手がまわり、器用にブラのホックが外される。
支えを失って、たゆむ膨らみ。
カチャ、カチャという音と共に
ベルトが外され、するりとたしぎのズボンが下ろされる。

流れるような手さばきに、抗うこともできずに、
一枚、また一枚と、衣服を取り去られる。

たしぎは、一糸まとわぬ姿になって、ゾロの前にいた。

身体にあたる微かな風に、ここが壁も崩れかけた場所であることを
たしぎに気づかせる。

あ。

目を開ければ、上着を脱いだゾロが見下ろしていた。
朝日が背中から当たって、表情がよく見えない。
逆に、光を浴びて浮き上がる自分の下肢が目に入る。

恥ずかしさに、身をよじろうとするたしぎは
肩を押さえられる。

「隠すな。」

ゾロじっと見つめて呟く。

その言葉に、魔法にかかったように
たしぎは動けなくなる。

唇を塞がれ、耳朶に軽く歯を立てられる。
そのまま、首筋、肩、腕、とゾロの舌がなぞる。


ゾクゾクする震えを感じながら、たしぎの指先は
シーツをたぐり寄せる。

「あぁっ!」

いきなりの胸の先端への強い刺激に
たしぎの身体が跳ね上がる。

すでに堅くなった蕾を、ゾロは口に含んで、舌で転がし、歯を立てる。
片方を指で擦り合わせるように捻る。

「ひあっ!あぁ・・・あ・・!」

痛いくらいの刺激に、じりっと身体の奥が熱くなる。

たしぎの反応に、満足したようにゾロの舌と指が
ヘソの方へと下りていく。

ゾロの目的の場所を察して、思わず身をよじる。
すっとたしぎの内腿にゾロの手が伸びると、
両手ですくい上げるように、大きく脚を開かれる。

「いやぁ!・・・あ、ダメぇ・・」
恥ずかしさに、声を荒らげる。

「隠すなって、言ったろ。」

たしぎから、ゾロの顔は見えない。
露わになった茂みの奥に、ゾロの息がかかるのを感じる。

「いやぁっ、いやぁあ・・・ああ・・・」
泣きそうな声も、秘裂をなぞる、ぬるりとした温かい感触に
色を帯びる。

思い切り身をよじってみても、抱えられた脚はビクともしない。
ゾロの舌の動きにあわせて、声が響く。
「んぁ・・・あぁん――」

頭の中が、真っ白になって、熱にうなされるように喘ぐ。

ゾロの唇が、たしぎの一番敏感な箇所にたどり着く。
その動きを止めよう伸ばした指先は、ゾロの髪の毛をくしゃくしゃに
掻き回しただけだった。

繰り返される強烈な刺激に、
たしぎのきつく瞑ったまぶたの奥が、チカチカと白い光が点滅し始める。

顎をのけぞらせたまま、ふわりと身体が浮く感覚に
身震いして堕ちる覚悟をした。




荒い呼吸のまま、ぐったりと動かなくなったたしぎを前にゾロは思う。

時間が足んねぇな・・・

たしぎの脚の間においた身を起こして
ゾロは自分自身を解放する。
ギラギラと赤黒く充血した熱の塊は
収まるべき場所を求めて、脈打っていた。

まだ、ひくついているたしぎの胎内に
ズブリと濡れた音をたて、侵入していく。

「ふあっ!!」

いきなりの刺激に、たしぎの身体が跳ね上がる。
それでも、ゾロを見つめ返す瞳は、
待ちわびていたかのように、熱を帯びていた。

「あっ・・・あっ・・あぁ」

絡みつくたしぎの中を、ゾロは、深々と己を収めていく。
たしぎの最奥にたどり着き、その熱い温もりに全身が包み込まれる。

溜まっていたものが、出口を探し、
ゾロの中で、今にも暴れ出しそうだった。

たしぎの脚を持ち上げたまま、腰を動かし始めた。
もっと深く、もっと奥にと。
打ち付ける度に、ぐちゅぐちゅと溢れる淫らな音と
下腿がぶつかり合う音が響く。

胎内を縦横無尽に激しく動き回る感覚に、
たしぎは、再び絶頂へと突き上げられる。

「あぁ、お願い・・・もぅ・・あぁ・・もう、ダメぇ・・・」



泣くような叫び声をあげて、たしぎの身体が硬直する。

「ロ、ロロノア・・・」
カクンと糸が切れたように、たしぎの身体から力が抜けた。

「たしぎ。」
掠れる声で答えるゾロは、そう長くはもたないことを知りながらも、
この快感を更に堪能したくて、腰の動きを早める。


「・・・うっ・・・」

短い吐息とともに、
たしぎは、身体の奥でゾロの熱が弾けるのを感じた。


のしかかるゾロの身体の重みを心地よく感じながら
たしぎは眠りに落ちた。





・・・・時間切れか。

たしぎの唇に触れるようにキスをすると
ゾロは自身を抜いて、身体を横たえる。

うっすらと汗ばんだ身体に、朝のそよ風が気持ちよかった。



この一週間、たしぎと過ごした時間を思い巡らせる。

たわいもない会話、飯を作って、一緒に食べて、眠る。
ただそれだけの事が、なんだか、新鮮で貴重だった。



・・・いつか・・・また・・・こうやって




閉じていた目を開けると、ゾロはのそりと起き上がった。


身支度を整え、もう一度、寝息を立てているたしぎを見つめると
声をかけた。





〈続〉