おまえ、こんなふうに海賊のオレと逢ってていいのかよ。
黙ってしまうたしぎ。
大丈夫ですよ。
安心させるように、笑いかける。
麦わらの一味は、皆、手ごわくて、
私の手には負えないです。
でも、おまえ、挑んでくるだろ。
はい。
私が、ロロノアに勝ったら、その時は捕まえますから。
おう。いつでもかかってこい。
笑いながらゾロが答える。
おまえになんか、捕まらねえ。
捕まえられませんかねぇ。
たしぎは、遠くを見るような眼をする。
たしぎの視線に、小さな焦りを覚え、たしぎの腕をぐっと掴む。
お前は、オレを追うんだろ。
オレだけ、見てろよ。
ゾロに気圧されて、思わず頷く。
困ったように笑うたしぎの肩に、とんと頭を乗せる。
何処へも行くな。
ロロノア、逃げるじゃないですか。
お前が、追ってくるから。逃げられるんだ。
じゃあ、捕まってください。
それは、出来ねぇ。
たしぎが、少し寂しそうに微笑む。
いつもの堂々巡りの会話が、また繰り返される。
〈完〉
答えの出ない、二人の会話。重ねる度に、辛くなるのか・・・。