episode16



G棟 出口へ向かって走っていたG-5の前に、
たしぎを担いで走ってくる海賊狩りのゾロの姿があった。

「あっ!大佐ちゃ〜ん!」

「よかた無事で!鳥女倒したんだな!」


「何で正面から走ってくんだ!
 おれ達をかばって後ろにいた筈なのに!!!」

「ホラ やっぱり道、違ったじゃないですか!」

「あァ!?」

「それよりっ、お・・・降ろして下さい!恥ずかしいっ!」

部下達の声を聴いたたしぎの懇願は、ゾロに見事に却下された。

「うるせぇ。」




わらわらと走りながら二人の周りに集まってくる海兵たち。

「大佐ちゃん、大丈夫なのか?」

「肩、どうしたんだ?やられたのか?あの鳥女に!」


「だっ、大丈夫です!たいした事ありませんから」
ゾロの肩に乗っかったまま、焦るたしぎ。



「少しおとなしくしとけ。降ろすぞ。」

ゾロの手がたしぎの腰に添えられる。

たしぎの心拍数が一気に跳ね上がる。


あわわわ・・・どこ、触ってるんですか!?

声にならないたしぎの叫びは、顔を一層真っ赤にしただけだった。


やっと降りられるとホッとしたのも束の間、
ゾロは一番頑丈そうな海兵にたしぎを引渡した。



「大佐ちゃんを助けてくれたんだな。恩にきるぜ!」

「あとは、任せろ海賊狩りのアニキ!」


「あ、あのっ!私はもう平気ですから、おろして下さい!」

海兵の肩に乗ったたしぎは、声を張り上げる!


「駄目だよ!大佐ちゃん!」

「まだ、ガスが迫っているから、逃げないと!」

「無理すんなって!」


しっかりたしぎを支えた海兵は、
ゾロにむかって親指を突き上げる。

ゾロはよしとばかりに頷いた。

そして、部下達に平気だと説明するたしぎにチラッと視線を送ると、
後方にいる仲間のもとへと走っていった。



fin.





ねっ、これならゾロの指示じゃないよね〜〜〜!!!(笑)