月光
遠い空から降りてくる。
あなたを抱きしめる為に。
月を見上げるあなたの瞳に
私は映らないけれど、
あなたの声が聞こえる。
また、そんな目をしている。
どうか、もう苦しまないで。
ゾロは、ゾロの思うように生きて。
私は大丈夫だから、
もう私の為に、苦しまないで。
背中からそっと抱きしめる。
ゾロの瞳が、ふっと揺らぐ。
あなたが必要とする時は、
いつでも傍にいるから。
ゾロの頬に口づけを落とす。
何かを手放したかのように
ゾロが笑う。
夜風が、頬を撫でていく。
月光が、包み込むように降り注ぐ。