「んっ・・・」
暗闇の中、突然体にのしかかる重圧を感じた。
抱きしめられている。
相手の体温が伝わってくる。
左の首筋に、髪の毛が触れる感触がある。
何も見えないのに、
誰かもわからないのに、
この感触、嫌じゃない・・・
思わず腕を、背中にまわしてみる。
一瞬、ビクッとしたのが、指先から伝わる。
すっと、圧迫感が軽くなったかと思うと、
いきなり、唇が熱くなった。
おしつけられる唇。
あつい
「ん・・・ふ・・・っ」
吐息が漏れる。
ゆっくりとその唇が離れていく。
シャランと金属がぶつかる音とともに、
その身体の重さも、ぬくもりも、消えていった。
目覚めたたしぎは、唇に指で触れる。
あれは、夢だったの?
こんなに、この感触が残っているというのに。
うわっ、恥ずかしい。あえて、そのまま。初心を忘れずって、エロ?願望?